最高の一杯を楽しむ

富士山の眺めに寄り添う“旅の一杯”/伊豆・道の駅で味わう丹那牛乳

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お風呂上がりに、旅の途中に、目覚めの食卓で——。牛乳は、いつ、どんな場所で飲むかによって、味わいの豊かさが変わります。牛乳をよりおいしく楽しめる“最高の一杯”を求めて、日本各地を訪ねました。

道の駅伊豆ゲートウェイ函南の副駅長を務める更家優和さん。富士山を望む展望テラスで、「丹那3.6牛乳」を手に。

究極の“旅の一杯”。


そんな牛乳を求めて訪れたのは、静岡県東部・函南町にある「道の駅伊豆ゲートウェイ函南」です。


この道の駅の2階の展望テラスから、雄大な富士山の姿が楽しめると聞き、やってきました。道の駅で購入した地元の牛乳ブランド「丹那(たんな)牛乳」を手に階段を上がると、視界がぱっと開け、堂々とそびえる山の姿が澄んだ空気の中に浮かび上がります。さっそく牛乳を一口飲むと、なめらかな口当たりで、優しいコクがじんわりと広がります。富士山を望むテラスで伊豆の風を頬に感じながら味わう一杯は、まさに格別。胸の奥から静かに湧き上がる旅の高揚感に、自然と頬がゆるみました。


地元に長年愛されてきた味

2017年にオープンしたこの道の駅は、“ゲートウェイ”の名の通り、地域の”モノ・コト・ヒト”が集まる伊豆半島への玄関口です。


物産販売所には、県のブランドイチゴ「紅ほっぺ」や函南町産トマトなど、静岡・伊豆の特産品や加工品がずらりとそろいます。中でも目を引くのが、丹那牛乳を使用したさまざまな商品。バウムクーヘンやクッキー、ヨーグルト、さらには牛乳からチーズをつくる過程で生まれるホエイ(乳清)を活用した入浴剤まで、多彩なラインアップが所狭しと並びます。道の駅でしか手に入らない限定商品もあり、丹那牛乳の幅広い魅力が伝わってきます。

丹那牛乳を使用したヨーグルトやプリン、ホエイを活用した入浴剤など、丹那牛乳に関連した多彩な商品が並ぶ。

さらに一味違った形で丹那牛乳を体験できるのが、物産販売所前に設けられた「蛇口ヨーグルト」。巨大な牛乳パック型のモニュメントに取り付けられた蛇口をひねると、飲むヨーグルトがとろりと流れ出します。


「もっと丹那牛乳を多くの方に知ってもらえたらと、2022年にスタートしました。大人の方にもお子さんにも大好評で、コップに表面張力ぎりぎりまで、なみなみと注ぐ方もいらっしゃいます」と、道の駅副駅長の更家優和さんは、笑みを浮かべながら話します。

「丹那3.6牛乳」(右)からは飲むヨーグルトが、「丹那コーヒー」からはホットチョコレートが出てくる。ホットチョコレートは、夏はソフトクリームに、冬はホットミルクにかけて楽しめる。

蛇口をひねり、丹那牛乳のロゴが入った専用カップに「飲むヨーグルト」を注ぐ。香料、安定剤などは一切使用していない、優しい味わい。

丹那牛乳の商品が並ぶ売り場の一角には、どこか懐かしい木製の棚が置いてありました。伊豆半島南部・下田市の中学校で実際に使われていた本棚を再利用したものだそう。そばには、同じく学校の備品だった“校長室”のサインや小さな黒板も。でも、なぜ?


「丹那牛乳って、ずっとこの地域の学校給食で飲まれてきた牛乳なんです。地元の方にとっては、もう“牛乳といえばこれ!”というほど慣れ親しんできた存在。そんな背景を感じていただきたいなと、売り場を工夫しています」

2022年に廃校になった下田市の中学校で使われていた本棚。人気商品のひとつ「丹那牛乳バームクーヘン」を並べて。

校長室のサインや黒板も、中学校の廃品を活用したもの。どこかレトロな雰囲気の一角は、学校に迷い込んだようで楽しい。

酪農の里・丹那で育まれた牛乳

丹那牛乳は、豊かな自然に恵まれた箱根南麓の丹那盆地に工場を構える、函南東部農業協同組合によってつくられています。昭和30年、「自分の子や孫に飲ませる牛乳を、消費者にも」という情熱を持った丹那地域の酪農家たちにより設立されて以来、一貫して「生産者の顔が見える牛乳づくり」を大切にしている乳業メーカーです。


その大きな特徴は、「酪農家と工場が近いこと」。生乳を集める酪農家は、遠くても車で片道1時間の範囲に限定しています。鮮度にこだわってつくった牛乳は、地域に根付き、長年人々に愛されてきました。

丹那地域は140年以上続く「酪農の里」。写真は丹那牛乳の工場。丹那牛乳の顔ともいえる「丹那3.6牛乳」のパッケージを模している。

静岡市出身の更家さん自身も、そんな丹那牛乳のファンのひとり。


「とにかく“間違いない”味。おいしい牛乳が飲みたいなって思ったら、スーパーで少し奮発して丹那牛乳を買います。いい紅茶が手に入ったときにつくるミルクティーも、丹那牛乳を使えばこっくり味わい深くなるんですよ。そして“今日は午前中仕事を頑張ったな”という日には、スタンドで丹那牛乳を100%使用したソフトクリームを買うことも。牛乳の味がそのまま味わえて、世界で一番のソフトクリームだと思っています!」

更家さんにとって、丹那牛乳のソフトクリームは”自分への小さなご褒美“。仕事を頑張った日のデザートに、物産販売所前のスタンドで買い求める。

道の駅のスタンドでは、丹那牛乳や丹那牛乳を使用したカフェオレのほか、バターミルクを使用した熱々のスイーツなどを販売。生クリームを使ったバター作り体験も提供しています。


「とにかくさまざまな形で丹那牛乳を楽しんでいただけます。ぜひ、ご旅行の際には道の駅伊豆ゲートウェイ函南に立ち寄り、丹那牛乳の魅力を発見してください」と更家さん。


地元の人にとっては親しみ深く、ドライブやサイクリングの途中で立ち寄る旅人には、「行ってらっしゃい」と優しく背中を押す一杯。丹那牛乳は、訪れる人々と伊豆の地、そして地元の人々の思いを静かにつなぎながら、これからも“旅の一杯”として愛されるのでしょう。

道の駅では、丹那牛乳はスタンドで販売するカップ入りのほか、物産販売所で「丹那3.6牛乳」と「丹那コーヒー」のパックが購入できる。

道の駅 伊豆ゲートウェイ函南

静岡県田方郡函南町塚本887-1

営業時間: 9時~18時(物産販売所・観光案内所)

※コンビニエンスストアは24時間営業、その他店舗は営業時間が異なる

定休日:なし

https://www.izugateway.com/


文/中村茉莉花 写真/齋藤洋平

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