コラム「ミルクはともだち」

第1回 もう迷わない!牛乳選びのポイント

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牛乳をこよなく愛するグラフィックデザイナーで牛乳マニアのミルクマイスター高砂さんが、牛乳をもっと「知って・味わって・楽しむ」ためのコツを、連載でお届けします。第1回は、「牛乳選びのポイント」です。

ミルクマイスター® 高砂さん

牛乳マニアのミルクマイスター高砂です。


このウェブサイトでは、全国各地の牛乳がたくさん紹介されています。「牛乳ってこんなに種類があるの!?」と驚いた方も多いはず。


そうなんです。牛乳って実はたくさんの種類があるんです。その数は、ゆうに千種類を超えています。そして、そのそれぞれに個性があるんです。


スーパーの牛乳売り場にたくさんの牛乳が並んでいる光景を目にして、「その違いがよく分からない」という方も多いかもしれません。でも、安心してください。このコラムシリーズを読み終わる頃には、あなたは牛乳のことを知り尽くした“ミルクマイスター”になっているはず!


このシリーズで、牛乳選びがもっと楽しくなる神髄を伝授します。ぜひ奥深い牛乳の魅力に、どっぷりハマってください。

それでは、第1回となる今回は、スーパーで牛乳を選ぶときのポイントをご紹介します。

まずは「種類別」という表記に注目!

「種類別」表記とは、牛乳や乳製品などの食品を、食品衛生法に基づく規定で分類したもの。成分や製造工程の規格によって分けられます。


実は、普段牛乳だと思って飲んでいたものが、「種類別牛乳」ではなかったというケースが意外と多いんです。実際、「そんなはずはない」と、冷蔵庫に入っている牛乳をチェックしたご家庭の何割かで、「牛乳」と表記されていなかった可能性があります。


そのくらい、牛乳の種類別は複雑なので、これからしっかりお伝えします。


まず、いわゆる「牛乳の仲間」は、成分や製造工程などによって「7つの種類別表記」に分類されています。この7つの違いについて見ていきましょう。

(1)生乳のみを使用した牛乳の種類別表記

搾ったままの牛の乳を生乳といいます。この生乳のみを使用した飲み物のことを、大きなくくりで牛乳といいます。「7つの種類別表記」のうち、次の5つの種類にあたるものです。

1. 牛乳

成分は牛から搾った生乳100%で、まじりっけなし。成分を一切調整していない牛乳です。そのため「成分無調整牛乳」と呼ばれます。


2. 特別牛乳

「成分無調整牛乳」のひとつで、日本の厳しい基準をクリアした施設だけで生産されている、とても希少な牛乳です(2025年10月時点で3施設)。生乳を加熱殺菌せずに、または低温殺菌で製造した牛乳です。


牛乳本来の味わいを楽しみたい方は、「牛乳」または「特別牛乳」を選ぶとよいでしょう。


3. 成分調整牛乳

こちらは成分を調整している牛乳です。生乳から、水分、乳脂肪分、ミネラルなどの一部を除いて成分を調整したものを指します。遠心分離機で乳脂肪分の一部を取り除いて、乳脂肪分を2~3%程度に調整したものや、水分の一部を取り除いて、成分無調整の牛乳よりさらに成分を濃厚にしたものなどがあります。


4. 低脂肪牛乳

乳脂肪分を調整した成分調整牛乳の一種で、乳脂肪分を0.5%以上1.5%以下にしたもの。カルシウムやたんぱく質などの栄養素は、成分無調整の牛乳とほとんど同じくらい摂取できます。


5. 無脂肪牛乳

乳脂肪分を、低脂肪牛乳より低い0.5%未満にしたもの。軽やかな味わいが好きな方におすすめです。

(2)牛乳に似ているけれど、実は牛乳ではない飲料の種類別表記

残りの2種類は、実は、牛乳にとても似ているけれど牛乳ではない飲料です。生乳以外の原料を加えているので、牛乳とは呼べないものです。


6. 加工乳

生乳にバターや脱脂粉乳などの乳製品を加えて成分を調整した乳製品で、牛乳の味わいを再現したものや、濃厚な味わいにしたものなどがあります。


7. 乳飲料

生乳や乳製品に、乳製品以外の成分(コーヒーや果汁、ビタミンなど)を加えたもの。ミルクコーヒーや、イチゴミルクなども乳飲料に分類されます。ほかにも、カルシウムの吸収を助けると言われているビタミンDを加えたものなどが販売されています。


切り欠き」は牛乳を見分けるポイント

まずは、牛乳の仲間として分類される飲み物の種類が7つあることを知っていただきました。「牛乳」は、「成分調整牛乳」や「加工乳」「乳飲料」と見間違いやすいのですが、実は、それらを見分けられるひとつのポイントがあります。


それは、牛乳パック上部についている「切り欠き」※と呼ばれる凹んだ部分です。


種類別の「牛乳」にしかない目印なので、目が不自由な方でも触って牛乳を判別できるバリアフリーの役割があります。牛乳を選ぶ際に、ぜひ注目してみてください。

※任意表示のため切り欠きがない牛乳もあります。

今日はしっかりと牛乳本来の味を楽しみたいから「牛乳」。すっきりとした飲みごこちを楽しみたいから「低脂肪牛乳」「無脂脂肪牛乳」など、目的や好みによって飲み分けることをおすすめします。

牛乳の濃厚さの指標!?「乳脂肪分」に注目!

ここまでの「種類別表記」の解説のなかでも度々登場した「乳脂肪分」という言葉。実はこの乳脂肪分は、牛乳のことを説明する上でとても大事な要素なんです。


牛乳は、約88%が水分でできています。そして、残りの約12%の部分に牛乳の味の決め手があります。そこに何があるのかというと、「無脂乳固形分」と「乳脂肪分」です。特に今回注目してほしいのが、「乳脂肪分」です。


乳脂肪とは、牛乳に含まれる脂質のこと。 一般的な牛乳の乳脂肪の割合は、約3.5〜3.8%ですが、牛乳の乳脂肪分は一定ではなく、日々変化します。夏は比較的数値が低く、冬場は数値が高くなります。


パッケージの表示欄に記載されている乳脂肪分は、年間の平均値や最小値で記されています。乳脂肪分の数値をひとつの指標として、すっきり系の牛乳が好きな方は数値が低いものを、濃厚な牛乳が好きな方は数値が高いものを選ぶとよいでしょう。

今回はひと言に牛乳と言っても、いろいろな種類があること。そして乳脂肪分が味わいのキーポイントということについてお伝えしました。


次回は、牛乳のパッケージから読みとれるこだわりやストーリーに注目してお送りします。 第2回「パッケージが語る、牛乳のストーリー」もお楽しみに!

文・図/ミルクマイスター®高砂 写真/篠田英美

ミルクマイスター® 高砂

1983年、山形県寒河江市生まれ。 物心ついた頃からの牛乳好きで、飲んだ牛乳は600種類以上。名古屋学芸大学デザイン学科卒業後、広告制作会社勤務を経て独立し、“牛乳をこよなく愛するグラフィックデザイナー”として活動。アニメ「ミルクのケビン」制作や「ご当地牛乳トレカ」プロジェクトの立ち上げなど、さまざまなアプローチで牛乳の魅力を発信する。

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